言語の本質

誰かが読んでいた「言語の本質」という本を買った。これがメチャクチャ面白くて言語学という異分野の本なのにとにかくスイスイ読める。小さい子にはどうしてオノマトペがよく使われるのか、そもそもオノマトペ言語学で扱うべき対象なのか、といった話題から始まり、人間が言葉を身につける過程や、なぜ人間だけが体系的な言語を身につけるに至ったのか、といった壮大なスケールの問いに対する著者たちの結論が示されている。

話題になった本はやっぱりオモロいし、気になった本は新鮮なうちに読むのが良い。ここ数ヶ月の間に何冊か本を手にすることで、新しい本からはページをめくるごとにインクのいい匂いがすることを15年ぶりに思い出した*1。本はすぐに読まなくても置いておけばいつか読むわけで、それよりも書店から消え、記憶も薄れ、気になっていた本を読むことなく墓へ入る方が本棚を圧迫することよりも遥かに恐ろしい。だから外食するより、ちょっと気になったシャツを買うより、ここしばらく上がってる株を買うよりも、近くの本屋へ行って値段を見ずにレジへ向かう方が人として正しい。

「言語の本質」と同時にずっと読めてなかった「ウォール街のランダムウォーカー」も買った。曲がりなりにもある程度資産を運用している身として、まず読むべき名著から目を背け続けてきたことを大いに反省しつつ、その厚みと重みとまあまあな値段を見てより一層の覚悟を決める。現状積読本が5、6冊。次は何を読もうかと考える時間は意外と億劫で、次に何を買おうかと考える時間が一番楽しい。だから金が貯まらない。

 

*1:昔はかなりの頻度でラノベを買っていたので