5年目が終わる

高校を出てから特段太ることも痩せることもなく10年が経った。社会人になったら体格が良くなることを期待していたが、満5年経っても太る兆しは見えない。18歳の頃から身長は170cm、体重は52〜58kgの間を行き来するだけ。相変わらず本と音楽が好きで、学生時代より酒の量は減って煙草は殆ど吸わなくなった。

リングフィットアドベンチャーを手に入れて、かれこれ数週間続けている。買ってから現状一日休んだだけで、大抵は夕方以降に、時には会社に行く前に小さなテレビに向かって輪っかを上げたり下げたりしている。腕や太ももが発熱するくらい負荷を掛けたあと、友人から進められたプロテインを毎日飲んでいる。このまま最低でも3ヶ月間は続けて身体の変化を確かめたいという気持ちがある。

そういえば小学生のころから図書委員だった。中学生では図書委員長を務め、高校でも図書委員に入り、大学では図書館に閉じこもり、想像通り今でも図書館に助けられている。引越してきてからは自転車でちょっと行ったところにある図書館で月に20冊くらい借りて、10冊くらい読んで返却している。どれも無料で読めるから図書館という施設は素晴らしい。恐らく今後の人生で図書館にはずっとお世話になることだろう。いつでも興味深い本を見つけたら間髪入れずに欲しい物リストにぶち込み、図書館でそれを見ながら本を借りるようにするとホクホクしながら家に帰れる。ありがとうスマートフォン。ありがとうアマゾン。

SV-2を買ってから毎日ピアノを弾いている。最近では鍵盤のタッチを修正するべく練習曲を録画しては見返し、変な汗を流している。おかげで少しだけ速いパッセージにも対応できるようになった。しかし毎日ちゃんと練習するわけではなく、一週間のうち半分以上は知っている曲を適当に転調して弾いてみたり、ラジオで流れている藤井風の曲をさらってみたりする程度。とはいうものの、一週間ずっと同じ曲を練習すればそれなりに上達するのが楽しく、重い腰を上げてようやくジャズの基本的な曲を一から学習し直している。コンファメーション、酒とバラの日々、ドナリー、普通のブルース、アフタヌーン・イン・パリス、ジョイ・スプリングなど。教科書どおりに音を重ねていけばちゃんとジャジーな響きになるのが面白くて、そしてディミニッシュやハーフディミニッシュが音の色を容易に変える様を純粋に楽しんでいる。セッションができない今だからこそ、一人でゆっくりと音楽と向き合えるのかもしれない。

死んだときのために自分が好きで作っていたレシピ本を作ることにした。とにかく頑丈なノートを買って、今日みたいに時間があるときに好きな料理とその作り方を書いていくことにした。まだ数ページしか埋まっていないがそう急ぐものでもないし、僕が好きだった料理を僕が死んだあとも誰かが楽しめるようにボールペンで書いていくのは愉快だ。誰が読むのか知らないが。

髪を切ることにした。今まで頭の上で結べるくらい髪が長くて、どうしてこの髪型で内定が出たのか分からないような状態のまま時間が経ち、にっちもさっちもいかない状況で緊急事態宣言下を生きていた。しかし年度が変わるので心機一転、バッサリ切って営業っぽい髪型にすることにした。お団子にまとめた髪はヘルメットを被ってしまえばバレないことを前職では学んだが、現職では不幸なことにヘルメットを被る機会がそう多くない。とりあえず今年の夏は短い髪型で過ごすことにする。

アドビのクリエイティブクラウドを更新する時期が近づいている。今年こそアドビ税から逃れるために買い切りのアフィニティを試してみる。

付き合いの長い友人が役所を辞めた。流行りのパラレルワーカーになるらしい。彼のような生き方に憧れている反面、今の会社の安定感も捨てがたい。悩んだ末入社を決意した今の会社では初志貫徹、なんとしてでも海外駐在を勝ち取る必要がある。ここ数年のうちに仕事をしっかり覚え、かつ仕事の合間に英語を勉強することが求められる。社会人になっても勉強してるなんて10年前には想像しなかったが、そういう生き方を選んだんだから仕方ない。やるしかないからやるしかない。