パナモリを買う

社会に出て数年が経つと、男は自転車、バイク、車といったモビリティ、カメラやパソコンのようなガジェット、ジムやサウナやキャンプといったアクティビティに金と時間を投資し始める。先輩同期との飲み会は一段落し、ある程度の金銭的余裕が生まれ、仕事にも慣れて自由時間を持て余す頃だろう*1。社会人8年目も半ばを過ぎた自身は、バイクと車、カメラとパソコンと楽器、ボルダリングとジムという欲張りセットな趣味遍歴を辿ったため、口座残高がかなり心許ない日々を送る羽目になっているが全く後悔はしていない。

京都の大学で自転車と経済学を修めた前職の同期曰く、「自転車はパナモリに限る」らしい。門真-守口市を横目に京阪電車に揺られていた自身にとって、そして多くの大阪府民同様自身は並々ならぬ愛情をパナソニックに抱いている。そんな府民の誇りであるパナソニックでは現在の主流であるカーボンフレームでなく、溶接技術を絶やさぬために敢えて国内工場で製造されているクロモリロード。これは絶対に買わなくてはならない。次の世代にクロモリロードを受け継ぐためにも金を出す責任がある(?)。

パナソニックのクロモリロード(以下、パナモリ)を選ぶのには理由がある。パナモリはオーダーメイドの日本製フレームであること、材料的にカーボンフレームよりずっと長持ちすること、性質上キャリアの取付が容易なこと、そして単純にとても格好いい。

これ以上自身の身長が伸びることは考えにくく、したがって現在の体型に合ったフレームを一つ持っておけば向こう20年くらいは生活の足として活用できる。また自転車に乗っていると自動的に心肺機能が強化されるのも素晴らしい。それに(将来)長距離ツーリングに挑戦したくなったときも高い拡張性/積載性のあるクロモリフレームは重宝するだろうし、そもそも細いフレームの自転車は単純に格好いいと思う。

さて実際パナモリを買って何をするかというと図書館や市役所、コクーンの映画館へ行くくらいで、ツーリングに使う機会は決して多くない(はず)*2。けれどこれは車を買ったときにも感じたことで、移動の手段があるのと無いのでは考え方が大きく変わってくるから、自身の行動半径を広げるためにもひとつパナモリを持っておくべきでしょう。

やりたいことが多すぎて時間がない。若いうちに日本アルプスに登り、東京〜京都間を縦断し、そう遠くないうちにゴルフとマラソンを始め、体重を65kgまで上げてBIG3合計450kgを達成しなくてはいけない。それにスタジオのある自宅と軽井沢か山梨の別荘を自身で設計して建てなきゃいけないし、陶芸と音楽をカメラを本格的に再開、それでいて仕事では遅くとも2029年までに管理職になり、少なくとも2回は駐在に出て現地の料理を学んで持ち帰り、定年までにレストランを開く必要がある。

そう考えると自身の人生を豊かにすべく一日でも早くパナモリを買うしかない、と強く思う。やることはまだまだ多い。人生は短い。

*1:諸説あり

*2:シンプルに時間が無いし誘える友人もいないので