最近の仕事

諸事情あって環境がやや変わり以前より動きやすくなった。ポジションが一つ上がり、裁量がやや大きくなった。サボりやすくなり、同時に責任も増えた。嬉しかったのは承認ルートが短くなったことか。各国の法規制や税制、輸出入周りの知識や実務経験が徐々に身についてきた。自分のさじ加減一つで数十億円規模の案件が生まれたり生まれなかったりするのが新鮮だった。

自分の関わった製品が世に出ること、これは素直に嬉しい。前職は「某工場地帯の原動力周り」だったり、「某金属の製錬設備の上工程」「某地区の地下のパイプライン」のような人の目に触れる場所からだいぶ距離を置いた仕事をしていたため、普通に広告で見るし、なんなら自分が買えて長く使えるモノに設計段階から関われるのがとても新鮮だ。とはいえ前職のような縁の下の力持ち的な仕事も嫌いじゃなかったが。

ただメーカーである以上僕は金持ちにはなれない。メーカーは構造的に給料が高くなりづらい。そもそもメーカーは固定費がデカすぎる。海外のあちこちで工場を抱え操業しているし、原材料価格が高騰しても顧客へ転嫁できず泣く泣く吸収せざるを得ない場合も多い。それに輸送費が高すぎる。人件費が高すぎる。リモートワークに対する目も厳しい。このまま比較的充実した福利厚生を享受しながら死ぬまでだらだら働くのかもしれない。ただ僕のような社会不適合者を受け入れてくれるから、それだけでもメーカーは優しい。