戦争

戦争ってこんな感じなのかもしれない。現場で何が起きているかはメディアやSNSを通じてなんとなく知った気になるけれど、多少動きづらさを感じる程度で自分の生活は淡々と続いている。コロナ以前と同じ仕事に就いている人が多数派で、でも勤務形態は随分変わって、以前よりストレスを抱える人が増えた気がしている。

あちこちへ出掛けることが好きだった身として、緊急事態宣言が発令された今は好きなところは好きなタイミングで移動できずにイライラするけれど、それでも最前線で戦ってる人を思い出して自粛する。たいていの人は同じような感じだろうし、だからみんな我慢してるからって自分も我慢してる。昨年の春頃にはいつかの戦争みたいに「クリスマスにはもとに戻るよ」と思ってたけれど、より一層深刻な状態になった今は見込みが甘かったと思わざるを得ない。とはいえ自分にできることは目の前の仕事をなるべく楽に素早くこなすことしかなくて、無力感と若干の安心感を覚えている。

医師、歯科医師、薬剤師の肩書を持つ人は日本でおよそ60万人。一方の自衛官はざっくり23万人らしい。関わる人の数では戦争よりずっと多いし、何より病院という身近な場所で戦争は起きているらしい。

コロナが落ち着いたらまた会おう、また飲みに行こうとよく耳にするけれど、そもそも以前の日常は戻ってこないように思える。とにかく今は自分が感染しないようにと毎日手洗いうがいをして、事態の収束を待つことにする。