夜のラーメン

家の近くに24時間営業しているラーメン屋があった。蔓延防止措置?にも拘らず依然として24時間営業を続けているのはいかがなものかと疑問に思わなかったわけではないが、現状埼玉県には緊急事態宣言は出ていないし、一人で行く分には平気だろうと総合的に判断し、22時ごろに雨脚が弱まった隙を狙って車に飛び乗った。

10分ほどで目的のラーメン屋に到着したところ駐車場は意外にも混雑していた。そのラーメン屋は幹線道路沿いなこともあり、この時間帯だとトラックの運転手が数人、店内はガラガラだろうと高をくくっていた。しかし実際は意外なほど若い人が多く店内の座席の多くは埋まっていた。店の外のベンチでは20代後半と思しき集団が煙草をくゆらせながらタムロしていた。そうだった、ここは埼玉県だった。

深夜にラーメンに行ったのは実はこれが二回目で、かつて独身寮に住んでいた頃に同期数人で近くの魁力屋へ行ったのが最初で最後だった気がする。ラーメンを求めて夜の道を運転するのは少々不安で、撥水性の落ちたバックミラーを頼りに灯りの少ない道を行くのはいささか心許なかった。深夜のラーメンはもっと開放感のあるものかと想像していたが、実際やってみるとただただ腹が重たくなって、普段より余計に塩分と油分を摂取しただけだった。理想と現実との間にはギャップが存在する。

憮然とした表情で車を運転し、その場の思いつきでコンビニに寄って、檸檬堂(9%)を買い、今それを飲みながらこの文章を書いている。時間が経つにつれて酔いが回ってくるのが分かる。飲み会の後の締めのラーメンってのはよく聞くけれど、ラーメンを摂取したあとにチューハイを流し込むのは身体に良くない気がする。別にいいか、腹に入ってしまえば結局一緒だし。