隠居生活

数日間電波の届かない場所で生活してみたところ、これが非常に良いものだった。朝から古いCDかラジオを流しながら飯を食い、昼から夕方にかけて火を起こして野菜や肉を焼き、風呂に入って20時過ぎには寝る生活だ。食料は近くの産直で買えるし、水や電気など最低限のインフラは揃っている。刺激はこちらで暮らすより遥かに少ないが、今の自分にはそれで十分だった。

チェーンソーで木を切って短い薪にし、棚に並べて干しておく。数年前に伐採された薪と細かな枝を使って火を起こし、朝に淹れためちゃくちゃに濃くなったコーヒーを飲みながら火を眺める。シャワーを終えて寝間着に着替え、気まぐれに寝る前に空を見上げると、今まで見たことのない密度の星が広がっていた。社会人として生きていくのは避けられないが、せめて心の片隅にでもああいう生活が世界には存在することを忘れずにいたい。

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朝日を反射して輝くゆで卵

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露出をミスったサンドイッチ