Light Lens 35mm f/2が欲しい

Light Lens 35mm f/2(周八枚)が欲しい。周氏が並々ならぬ情熱を注いで開発した、銘玉Summicron 35mm f/2の八枚玉のクローン品とも言える本品だが、現在では製造できない鉛ガラスをわざわざ調達して使っているというからその情熱は本物である。とにかく八枚玉を忠実に再現していることで有名であり、カメラおたく各位は中国国内でのみ流通していた頃から指を咥えてじっと待っていたが、最近は様々なルートで国内調達が可能となっており非常に喜ばしい。実勢価格は15万円程度だが八枚玉の写りがこの値段で楽しめる上、真鍮製の鏡胴は(以外なことに)本家より重く所有欲を十分に満たしてくれるはずだ。

鉛ガラスとは何ぞやという説明は省くが、当時と非常に近しい硝材を使っているというだけで惹かれてしまう。もちろん本家の八枚玉を手に入れられれば言うことはない。しかし昨今のレンズ価格の高騰具合は異常なほどで、恐らく今後更に加速するはずだ。今日現在で美品の八枚玉は75万円、半年後には100万円を越すだろう。

www.mapcamera.com

一方ぼくが今使っているフォクトレンダーのカラースコパーは3万円で非常に良好な光学性能を示し、かつ取り回しの良い優等生レンズである。実際写りに20倍以上の開きがあるとはどうも思えないし、新品のカラースコパーと数十年モノの八枚玉で比較したとき、どちらが安心して使えるかと聞かれるといよいよ難しい問題だろう。

その点新品の周八枚であればヘリコイドの固着や絞り羽根の不良といった心配は無用だし、写りは本家と同等(というか解像度は本家以上)であるため、実用面で言えば確実に本家より周八枚に軍配が上がる。唯一気になる点を挙げるとすれば、鏡胴の「中國製」という刻印だろうか。ゴリゴリの漢字で書かれるより欧米仕様のMade in Chinaのほうが違和感が少ない。ちなみにフードまで本家を模倣しているんですよね。ちょうどebayでレンズとフードのセットが売っていて、その、とても気になっているんですよね。

www.ebay.com

そういえば先日唐突に焦点工房から周Elcan 50mm f/2の発表があった。エルカンは軍用ライカ向けに製造された希少なレンズで、堅牢かつ操作性に優れることで有名だ。確かにエルカンは魅力的だけど、個人的には50mmの沈胴ズミクロンから再現して欲しかった。とはいえ実際に発売されたら欲しくなるんだろうな。