アトランティックサーモンのヤバさ

その日はものすごい渋滞を経てなんとかコストコへたどり着いた。三連休の初日は誰もがコストコへ向かうようで、無事入会手続きを終えてクソデカカートを押しながら入店した。母国譲りの容赦ない物量と価格で殴ってくるのが懐かしかった*1。けれど物価が上がったからか円安影響なのか、とにかくありとあらゆるものが若干高かった気がする。

ダラダラと巨大な店内を歩いていると、目玉商品ともいえるアトランティックサーモンを見つけた。なかなか高くてデカくて、残念ながら手が出せなかった。諦めてサーモンポキ(1,000円ちょっと)をカートへ入れたところで、生サーモンをノルウェーから空輸して日本に届けるまでの経路が気になったので調べてみた。するとアトランティックサーモンは釣り上げられてから36時間で日本の食卓に並ぶらしい。

普段仕事でやり取りをするのは東南アジアが多く、現地からブツを取り寄せようとしても少なくとも4日はかかる。比較的距離の近い東南アジアでも4日だから、ノルウェーからわずか36時間ってのは、これはもうとんでもないことだ。とてつもない情熱を持った人間がものすごい時間を掛けて構築したルートだと想像した。

恐らく「ノルウェーの業者と契約」「養殖場から空港までの定期便を確保」「冷蔵機能を持った専用便を確保」「輸出入手続きを簡略化 or 省時間化」「通関前に保管する冷蔵倉庫を空港内に確保」「空港から国内倉庫へのトラックを確保」「国内倉庫から店舗への円滑なデリバリーの構築」などを一手に行ったのだろう。正直言ってどれか一つとっても絶対にやりたくない仕事だ。これやってる商社ってマジでスゲえと思う。

と思って検索したら出てきた。やっぱりスゲーじゃん。もっとコストコで扱ってるサーモンはオーシャン貿易のじゃないかもしれないけれど、アトランティックサーモンを恐らく最初に日本へ持ってきたオーシャン貿易、めちゃくちゃヤバい。どうか読んでほしい。

*1:高校生の頃によく親と来ていたため