カブを後輩に譲った話

僕がはてなブログを始めて最初の記事がこれ。当時は大阪に暮らしていたので大阪生活という名前でブログをやっていた。現在は社宅に居るから社宅生活。引っ越したらまた次のブログに引っ越すよ。

ジムに通っていた頃には週4以上で乗っていたけれど、最近忙しくてここ一年くらい全然乗れていなくて、誰かもっと乗ってくれる人に譲ったほうがカブも幸せだと思い会社の後輩へ3万円で譲渡した。もちろんちゃんと動くしタイヤも買って一年くらいの全然乗れる状態で。伊丹のバイク屋で社会人2年目の頃に買って、右折が怖くて左折だけで当時入居していた独身寮に帰ってきたんだ。

段ボールに着替えと石鹸を載せて銭湯に行ったり、神戸へ日の出を見に行ったり、独身寮から引っ越しするときは雨の中を延々とカブで移動してずぶ濡れになった。最寄駅までバスの本数が少なく、急いでいるときはバスじゃなくてカブで駅まで向かったこともあった。とても思い入れの深いカブだ。

当時は25歳?でそろそろ僕は34歳だ。君とは随分長い間一緒に過ごしてきたよな。こっちに越してくるときはわざわざトラックで運んでもらったんだ。越してきてしばらく屋外に停めてたらタイヤがぺしゃんこになって慌ててタイヤを買いに行ったり、バッテリーやフロントライト、スパークプラグを交換して、始動がうまくいかなくなる度に何度もキャブレターを掃除した。思い返せば店に頼らずにメンテナンスに挑戦したのも初めての経験だった。君はとにかく燃費が良くて、満タンにすれば数カ月は余裕で持ったし最後までガス欠を経験せずに過ごせたように思う。貧乏な僕にとって最高の相棒だった。

カブを買ってから大きな買い物も多かったな。値段で言えば車のほうが何十倍も高かったのに、買ったときの嬉しさはカブが一番だった。初めて自分の金で手に入れた乗り物で、ネジ一本に至るまで全部自分の労働と引き換えに手に入れたという喜び、あれは凄まじいものだった。君さえいればどこまででも行けるし、どこからでも帰ってこれるという安心感があった。

僕がカブに跨る機会はそうそうないと思う。でも、できればもう少しおっさんになって時間と金銭的な余裕が生まれたら、またカブに跨ってトコトコと銭湯やちょっと先の喫茶店へ通いたい。自転車よりも力強く、車とも違う気楽さがカブにはある。でも、ひょっとしたら人生で最初で最後の二輪車になるかもしれない。とにかく、最初の一台が君で良かったよ。ありがとう。