GR IIIxの発売によせて

今度発売されるGR IIIxはシリーズ史上初めて焦点距離が40mm、言ってしまえば風景でなくモノや人を撮るのに最適なレンズが搭載されていて、余程カメラに対して拘りがない限り、これ一台あれば大丈夫と言い切れる仕上がりとなっている。誇張抜きにポケットに入るほど小さくて、それでいて写りの良いカメラはこのGRシリーズが唯一と言える(諸説あり)。

僕は以前GR IIを持っていたが岡山県で紛失し、それ以降このカテゴリのカメラは買い足していない。2年半前に発表されたGR IIIはGR IIと比較して高感度・高画質化に加え、誰もが渇望した手ブレ補正機能が新たに搭載されていたが、価格的な問題でGR IIIを購入するよりは安いGR IIを買い直してもいいかと思うくらいGR IIは手に馴染んでいたし、ぶっちゃけた話GR IIで十分楽しめていた。

しかし今回の発表には驚かされた。この焦点距離であれば一歩近づけばポートレートにも、少し引けば風景だって撮れるし、マクロ撮影だって(レンジファインダー派にとっては驚くことに)20cmまで寄れる。何でも撮れるしどこへでも持っていける。しかも写りはフルサイズに引けを取らないし、めちゃくちゃに堅牢かつ軽量。正直買わない理由がない。

もっとも今までと同じ感覚(=28mm)では使えないはずだ。目に入るものをだいたい切り取れる28mmと40mmは結構違い、40mmだと意識的に対象物を取捨選択する必要がある。室内だと若干狭く感じるかもしれない。そんなときにはGR IIIを買えばいい。公式だって二台持ちを暗に示唆していたし、GR IIIと区別するためにリングキャップを販売しているくらいだ。二台持ちが嫌ならGR IIIxだけ持ってめっちゃ後ろに下がればいい。

そういう訳で今月14日から予約が始まり来月初頭に販売されるGR IIIx、一台持っていれば完結する最強のカメラなので、つまりこれを買ってしまえば他のカメラは持たずに過ごせる訳で、買わないほうが損。つまりそういうことだ。